子どものために、家を買わない?
転勤族だから今は家を買わない、という人は多い。
先日も、娘が入学した高校でそんな人に出会った。
Oさんは、娘さんの入学と同時に、市内中心部から、
より通学に便利な周辺部へ引越してきたという。
偶然だが、そこは私がいつも利用している地下鉄の始発駅近く。
落ち着いた住宅街で、高校直通の学園バス乗り場の目の前、という好立地である。
新しい住まいでの生活を、楽しそうに語るOさんの顔が印象的であった。
そんなOさんに出会って、俄(にわか)に思い出したのがTさんのことである。
(ややこしくてスミマセン)
Tさんは正真正銘のセレブであった。
頭が切れ、いつも颯爽として美しい人であった。
そして実に意外なことに、筋金入りの賃貸派だったのである。
自由をこよなく愛するTさんにとって、
家を買って一つ所に縛られるのは、
人生の可能性を狭めてしまうことに他ならないらしかった。
Tさんが遠く他県へ引越して行ったのは、一人息子の中学進学のためであった。
幼い頃から続けているアイスホッケーを思いきりできる一貫校にと、
全国区で受験したのである。
念を押すが、大学ではない。中学受験である。
子どものために、あえて賃貸生活を謳歌するOさんとTさん。
子どものためにと、40代半ばの土壇場で家を買っ(てしまっ)た私にとっては、
いずれも眩しい存在なのである。

↑我が家はマンションの2F。
実は、緑の向こうにはアパートが3棟も迫っている。
入居8年、植栽が思いのほか成長し、問題解決(嬉)。
2016.11.15 | H・H(「暮らす会」主婦メンバー) |
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